時が奏でるホテル「OVEL-オヴェル」へようこそ。
人が旅するようになったのはいつからだろう。遊牧民が環境を荒らさぬ知恵をもった頃なのか、あるいは渡鳥のように悪環境を避けるために移動し始めた頃なのか、どちらにせよ初めは生き延びるためだった移動が、定住化した後に目的を変えながらも、現在にいたるまで進化しつづけています。船、鉄道、自動車、飛行機、物理移動は加速しつづけ、情報伝達もまたインターネットで速度を上げてゆきます。時間を短縮し、物理的距離を無効にすることが価値だともてはやされるこの時代において、旅とはいったいなんだろうと考え始めてしまったことが「OVEL」という旅のはじまりでした。
わたしたちは、本来ひとが持っていた「時間と空間/距離と場所」の感覚を、旅をとおして思い出してもらうために、ここ山口でホテルを営んでいます。旅人に観光スポットをただ案内するのではなく、わたしたちが発見した「楽しみ方」を伝えることで、あなたの奥深くに眠っていた身体感覚を目覚めさせる、それがわたしたちのミッションです。
Cafe lounge Route 262 は、 国道 262 号線沿いに佇む OVEL 最上階にあります。 ラウンジからは防府へ向かって広がる集落と、 それらを取り囲む山並みを一望することができます。 連れ添う人や環境によって体験の質が変化するのなら、 きっと味覚もそのひとつだと考えています。旅人と村人が混ざり合うこの場所で味わう飲み物は、いつもより数段深みのある体験となるでしょう。
週末は各地で活躍するミュージシャンを招いて心地よい音楽を奏でてもらいます。 目には美しい景色と人々がにぎわう姿がとび込み、 耳には幾重にも重なり合った音色、そして体の奥深くまで染みわたる味わい、それらに包まれることで、あなたも空間の一部となり、心と体がほどける心地よさを味わえます。
スペシャルティコーヒー、フレッシュジュース、クラフトビール、ウイスキー、ワイン、日本酒などさまざまな飲み物と、それらにペアリングされたお菓子やチーズをご用意しています。
Restaurant Nabetsu”ru(ナベヅル)は、宿泊者に朝食をふるまう場と、地元の方にディナーをふるまう場「料理人 in regidence」としての、ふたつの顔があります。
朝食はビュッフェではなく、地元の農家や牧場でとれた食材をつかい、一皿ずつ丁寧に仕上げた季節のお料理となります。
料理人 in regidenceは、各地で活躍するシェフに滞在していただき、料理を愛する地元の方にディナーをふるまっていただく、イベント型のお食事会です。食後はシェフを交えてカフェラウンジでのアフターパーティも開催されます。
わたしたちがここ山口でできることは、遠くからやってきた旅人を街へ案内することと、地元の方に外からの華やかな刺激を与えることです。このふたつをうまくバランスさせることが街の活性化につながると信じています。
周南市八代では初霜が降りる11月になると、シベリア南東部から中国北東部で繁殖したナベヅルが渡来します。故郷の厳しい寒さを避け、暖かい場所で越冬するために選んだ場所がここ山口にもあります。ナベヅルの滞在期間はおよそ5ヶ月間、4月になると2000Km離れた故郷へ帰ってゆきます。つまり、その土地の生態系をつくっている生物のなかに「渡鳥/旅人」も含まれているのです。
オヴェルの敷地内には登山口があります。
山頂にはこの村を守るための「秋葉様」という火伏せの神が祀られており、30分ほどで登れる小さな山です。年に一度、村人がこの山を登り、村に火事が起こらぬように祈る風習がいまもなお受け継がれています。
わたしたちはこの山を「うらやま」と呼んでいます。
Sound Library Urayamaでは、山中でフィールドレコーディングした「やまのこえ」が奏でられ、さまざまな生き物たちの命を感じながら、心地よく且つワイルドな時間を過ごすことができます。
書棚には「旅」をテーマに4人の小説家がセレクトした書物を並べています。テーマは同じでも人の数だけさまざまな答えがあります。勧められた本を読むことは、それを勧めてくれた人と共に作者の世界へ旅する体験です。旅先で書物を手にとり、さらなる「共読の旅」へ出かけてみませんか。
Sound Library Urayamaは、2ヶ月に一度アートギャラリーへ姿を変えます。OVELにアーティストが滞在し「裏山トレッキング」を通して感じたことを作品にしていただきます。選書と同様、テーマはずっと変わらず同じです。変わらぬテーマだからこそ、作家の個性が浮き彫りになり、ものごとがいかに多面的であるかについて知るきっかけになると考えています。
旅人にとって過ごしやすい部屋には、いくつか条件があります。
丁度よい広さであること、建物が堅固であること、しっかり周囲を見渡せること、光が部屋の隅々まで届くこと、水が綺麗であること、空気が澄んできること、寝心地がよいこと。
そんな誰もが必要としていることに合わせて、ほんの少しのエンターテイメントと衒いのない美意識さえあれば、その部屋は誰にとっても心地のよい空間であるはずです。
そこにあなたのセンスを重ね合わせてみてください。同じ部屋でも使う人のセンスによって雰囲気が変わり、時間と共にあなた色に染まってゆくことでしょう。与えること受け入れることの相互作用から生まれるものを大切にしたいという想いから、オヴェルの部屋には程よい「余白」を残しています。
人間の1/6程度しか生きることができない犬の時間感覚は、人間の3倍だと言われています。つまり、犬の時間感覚で換算すると45年ほどの寿命だと言えます。それを踏まえて想像してみてください。もしあなたが3日旅に出たなら、犬にとっては9日間のお留守番となるのです。
わたしたちは、あなたが旅先でも愛犬とずっと一緒に過ごせるようにDog friendly room Wanmanというサービスを作りました。
Dog friendly room Wanmanでは愛犬のお食事や自然豊かな散歩コースをご用意しています。もう愛犬に寂しい思いをさせることはありません。あなたにとって大切な「旅」に愛犬もいっしょに連れてきてください。その旅は互いの絆をより一層強くすることでしょう。
温度を上げて街へ出よう
On℃-オンドは体を温めて、旅の「温度」を上げるためのプライベートサウナです。初めて訪れる環境では、心は楽しくても、体には小さなストレスが少しずつ溜まってゆきます。体のケアは旅先だからこそ大切です。
On℃-オンドではハーブの香りに包まれながらロウリュウを楽しむことができます。部屋とは違ったもうひとつのプライベート空間で体を温め心を鎮める/体を整えることで心を穏やかにする/心よりも体を優先させる、そんな時間を少しつくるだけで、受動態としての感度が高まり、そのことで旅の解像度が上がると考えています。
山口県には案内したい魅力的な場所がたくさんあります。でもどこを選んでも遠く離れていて旅行客にとっては移動しづらく、それはまるで遠距離恋愛のようです。そんな問題を解決するサービスが「Slow Drive」です。私たちが行きたい場所までとびきりユニークな車で送迎いたします。
歩く鳥のように、旅先くらいゆっくり走ろう。
山口県は地方のなかではめずらしく、とても道路が広くてライダーにとっては聖地として崇められているほどです。ウィンドウから見える景色は、急いで走るにはもったいないほど和やかで、私たちが大切にしている「出迎えること、見送ること」このふたつをドラマティックに演出できる舞台、それが山口です。
そして、わたしたちが運ぶものは「人」でありながら「希望」でもあります。地方にとって旅人はさまざまな気づきを与えてくれる存在です。出会いを通して互いの文化が混ざり合い、わたしもあたなも/この街もあなたの街も、少しずつ変容していく、離れていた想いと想いを結び合わせていく、それが私たちの考えるスロードライブです。
ソニーCSLが理論化した協生農法を活用し「食べれる森」を作ります。モノカルチャーで枯れゆく自然を再生する技術である協生農法は、小さなスペースでも超高密度な生態系をつくりだせる魔法のような技術です。
私たちがつくる食べれる森「Kuu NiWA」はホテルの敷地内にあり、ここで採れた野菜や果物は宿泊者のための朝食として使用したり、ロビーの朝市で販売もしています。協生農法で収穫した野菜や果物は、大きさや形は不揃いながらも、透き通った味がすると評判です。モノカルチャーのように同じものを沢山収穫することはできませんが、枯れゆく自然を蘇らせる力を持ったこの農法で、新しい生産の形を提案します。
多種多様な生態系といえば、ホテルに集まる人たちも同じです。協生農法とホテル、そんなよく似た性質をもったこの場所で、植物を育てる楽しみや味わう喜びを届けること、それが「Kuu NiWA」です。
Rooftop Bath Life Zabunは、ざぶんとお風呂に入る幸せを、薪をくべる古来の手法で湯を沸かし、空気の澄んだ大空の下で楽しむための、屋上アクティビティです。
よくある露天風呂とは違って、まるで半世紀ほどタイムスリップしたかのような気分を味わいながら、現在の便利になった入浴のありがたさを感じることのできる、とてもエモーショナルな体験型の入浴となっています。
湯の沸かし方、正しいお湯の浸かり方など、OVELの入浴マイスターが指導します。
家族とざぶん、友達とざぶん、恋人とざぶん、同じざぶんでも一味ちがったざぶんを体験してみませんか。このサービスは屋上の共用スペースを利用しているため、水着での入浴となりますので、あしからず。
モバイルバス提供:FIRESIDE(https://www.firesidestove.com/)
その土地に住む人の観察眼や好奇心でしか知り得ない「秘境」があります。山仕事の途中で見つけた、まだ名も無い山から眺める夕日や、そこで一息つくコーヒーがたまらなく美味しいことや、今では地元の人しか歩かなくなった畦道から見る日の出の美しさや、普段は人が立ち入らない山の中腹で聴く虫の声や鳥のさえずりの臨場感など、その土地に永く住まなければ気付くことのない隠された魅力が、いくつもあります。
Kizki はそんな秘境をめぐる「やまぐちワイルドツアー」です。いつもより少し早く起きて、箱詰めされた朝食とポットに入れたコーヒー片手に、何も着飾ることのない自然と向き合ってみませんか。
そこで得た「きづき」はあなたの生活の中に取り入れることができる宝物になるはずです。あなたの住む街にも、まだ見ぬ秘境が眠っているはずです。それを見つけるための手助けになれば幸いです。